JSDF開発ストーリー
2017.6.20 UP
2004年(平成16年)より始まったケンテックスJSDF(自衛隊)時計開発プロジェクトは、自衛隊員向けの性能やコストパフォーマンスが大きな支持を受け、陸、海、空各幕僚監部(自衛隊)協力のもと継続的に製品開発が行われました。今や「防衛省本部契約商品」として、日本全国約270か所の自衛隊駐屯地ほか各基地で自衛隊員向けに取り扱われています。

交流の中で自衛隊時計の開発がスタート

自衛隊は個人装備の支給には厳格で、「腕時計」は、実は自費購入が原則です。ケンテックス開発担当者は、生死にかかわる任務につく隊員達が真剣に時計を選んだ結果、多くの隊員が有名ブランド時計ではなくケンテックス製品を使っている事実を知って感銘を受け、積極的に自衛隊員の方との交流に注力しました。その結果、多大な知遇を得ることに成功したのです。さらに、交流のある隊員が東北大震災はじめ国民のために命をかける姿を目の当たりにしたことで、自衛隊の方々への共感と尊敬を自衛隊時計開発の原動力とした経緯があります。
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隊員の切実な要望を聞き、自衛隊時計が完成・進化

時計業界では絶賛され、多くの自衛隊員からも選ばれていた「KENTEX」ブランド。 しかし開発担当者は、任務に命を懸けている一人一人の隊員と直に膝を突き合わせて真摯にお話を聞いた結果、まだまだ改良の余地があると思い知ることになりました。 さらに自費購入である以上、隊員の方の金銭的負担を考慮することも、本音の問題としては切実でした。そうして、ブランドとしての“こだわり”とは時計職人の技術の誇示のためのものではなく、徹底して使用者の側に立つ視点で作ってこそだという結論にたどり着くこととなり、原価の引き下げにも切り込みました。 こうして、恰好やブランドだけでも職人の自己満足でもない、陸海空自衛隊の様々な任務特性に対応した、日本では例を見ない真のミリタリーウオッチである「自衛隊時計」が誕生したのです。
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デザインに込められた誇りと品格、そして「日本製」

デザイン面では、機能美や品格を追求しました。自衛隊は軍事組織として当然に、威厳や品位を重視しています。なにより自衛隊員の方は皆、隊と日本に対して強い誇りと愛着を持っているのであって、開発担当者としてはその気持ちに応えなければなりません。 スペック化できる技術と違って、デザインにおいては、隊員の抽象的な感性や気風を汲み取ることが肝要でありました。開発担当者は隊員の方々と談義を重ねることで、自衛隊員の質実剛健でスマートな容儀にふさわしく、自衛隊の制服や戦闘服ともよく似合う、ミリタリーウオッチらしい機能的なデザインを完成させることができました。 隊員の誇りと愛着の象徴である各隊のロゴやマークは、組織的にも厳密な管理運用が義務付けられているため、自衛隊の協力を得て、本物のロゴを正しくダイヤルに配置。陸上自衛隊モデルの象徴である迷彩は、時計の大きさの面から、迷彩模様の効果を損なわずデザインに取り入れるのに大きな困難がありましたが、陸上自衛隊のご協力のもと、ようやく新迷彩を忠実にダイヤルに再現することができました。 信頼性や耐久性はもちろん、誇りを持って着用できるよう、全ての自衛隊時計は、「日本製」としました。イラクに派遣された隊員からは、アメリカをはじめ各国軍人との親善交流の際に、記念品として交換したところ絶賛されたとの声が寄せられています。
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防衛省本部契約商品としての重み

私たちの真摯な取り組みは自衛隊という組織の中で認められ、自衛隊時計は陸上・海上・航空各自衛隊それぞれの組織と契約を交わして製品化できる運びとなりました。また、これらの実績をもとに、航空自衛隊に属するブルーインパルスとの間でも、また2006年に創設された統合幕僚監部との間でも契約を交わし、ブルーインパルスモデルやトライフォースといった製品をリリースすることができました。すべてのモデルについて、それぞれの組織の協力を仰ぎ、隊員の要望を反映しながら開発を行える関係が築かれきたのです。 そして、こうした取り組みが認められ、ついに防衛省本部契約商品としての契約を締結することができました。これにより隊員の方は、所属する基地で自衛隊時計を入手できるようになります。今日では、任務での使用はもちろん、入隊記念、退官記念や、所属部隊での記念品としても扱われるまでになりました。 これは、私たちが営利のためだけに官公庁に出入りしたのではなく、防衛省・自衛隊員の身近な存在たらんとし続けたからこそ、築き上げられた実績であると自負しております。
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製品化から10余年。隊員と一緒に作っているから継続できる

こうしてケンテックス自衛隊時計は自衛隊員に愛用され広く定着し、今や防衛省本部契約商品として、様々な任務で用いられるようになりました。しかし、現在でも継続して現場の隊員と対話を重ね、例えば実際に着用して飛行するテストを行うなど、改良を重ねております。 私たちは、隊員と一緒になって隊員の要望を聞き続け、それを盛り込むことを重視しています。危険と隣合わせで常に緊張を強いられる自衛隊の任務、それに耐えうる時計を作ることは、技術的にもコスト的にも非常にハードルが高いことです。しかし、私たちはあの東北大震災をはじめ、危険な任務に従事する隊員の熱き意思を時計に込めたい、そういう想いを強く持って開発にあたっています。私たちは自衛隊の方への共感と尊敬が自衛隊時計の原点であることを、これからも忘れません。
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