
スイス、バーゼルで開かれた華々しい時計の祭典から戻ってきました。
私にとっては10回目のバーゼル訪問、KENTEXとしての出展は8回目となりました。
今年は自社のブースが多忙だったため有名ブランドが多数出展しているHall1見学に時間をかけられず一日足らずの駆け足で見て廻ってきました。
いきなり手前味噌になりますが、今年はなんと言っても当社ケンテックスブースの新作トゥールビオンが大きな話題になりました。
日本の時計誌が4社、またヨーロッパの著名な時計誌EUROPA STARからも取材を受けましたが各社とも驚きと衝撃を受けた様子でエポックメ−キングなニュースとして取り上げてくれそうです。
また今年はAHCI(アカデミー独立時計師)のメンバーや他たくさんの人とも交流することが出来、私にとって特別の年だった感があります。ヨーロッパの人たちにも、あらためてKENTEXの存在感を示すことが出来た年だと言えると思います。


パテック、ロレックス、など入り口付近のそうそうたるブランドの位置は例年と変わっていないようです。相変わらず数億はかかるだろうと想像するお金のかかったブースは健在です。
それに比べ我がケンテックスブースは残念ながら小さな1コマです。ま、仕方がないですね相手は世界をまたにかけた巨大ナショナルブランドこちらは日本のちっぽけなマイナーブランドです。
デザイン傾向についての私の感想ですが、全体にトノーや角などの異形デザインが心なしか減り、丸型が増えたような気がしました。(もっともROLEXは昔の角モデルが復活したようですが)
また昨年まで多く見られた石の取り巻きなどイタリア系のファションウォッチが減り全体に落ち着きを取り戻したように感じました。
しかしなんといっても機械式時計が中心の世界で、各社ともこれまでの歴史と技術、そして美の結集の形がそこにあります。
プロたちの技術の昇華された時計はまさに芸術品としての見ごたえがあります。

スイス勢は今年も元気が良い印象を受けました。日本では高級品も含め時計の売上げが落ちていると聞きますが世界ではまだまだ時計は健在だという印象を受けました。
スウォッチグループのブース(ブレゲ、ロンジン、オメガ、チタス、CK,ハミルトン、etc,)は健在です。相変わらず中央にドカンと陣取ってます。
その後ろ側に日本のSEIKO,そしてCITIZEN。メインのHall 1に日本勢はこれだけです。カシオ、オリエントはありません。さらに奥に進んでHall5にSeiko
Instruments.(私が元お世話になっていた会社です)とShellman Co. 日本の時計会社はこの4社のみです。
日本の会社の出展が少な過ぎると思いませんか。入り口で日本の会社のリストを全部打ち出してもらったところジュエリーも入れてなんと18社のみでした。
世界から2000社以上も出展している中でこれだけです。
日本が世界経済のリーダーの一角であるにもかかわらずこれだけ少ないのは日本の時計業界に元気がないという理由だけでなく、おそらく政府のバックアップが何も無いという日本政府の無策の原因があると思います。
香港では政府の機関である貿易発展局が積極的に援助、後押ししているので時計とジュエリーで毎年700社以上が出展しています。
結果香港の総輸出に相当貢献しているわけです。
さらに言えば、日本の時計業界の強力なリーダーがいなくなったこと。
各社がばらばらな感があり、日本が一つの大きなまとまった力になっていないのが残念です。
スイス、スウォッチグループのMR.ハイエクのような強力なリーダーが出て日本の時計業界を元気にしてくれる人はいないものでしょうか。

KENTEXは日本人がプロデュースしているブランドですが香港に中心拠点があるために
これまで香港の会社として出展してきました。
しかし改めて考えてみるとKENTEXも日本の会社として出展すべきではないかという思いが浮かんできました。
KENTEXは日本人によるコンセプトでものづくりをしている日本ブランドではなかったか。
これからは日本ブランドとして日本人のアイデンティティを大事にした、日本人のものづくりを世界にアピールすべきではないか。
今年のフェアーが終わったあと私はそれを強く感じました。

ケンテックスはメインホールの後ろにあるHall
6のユニバース館にあります。
香港を中心としたアジアをはじめ各国の時計,ジュエリーなどのメーカーで、まだナショナルブランドになっていない各国のPB(プライベートブランド)やOEMビジネスなど数多くの会社が出展しています。
しかしここは人の出入りが多く実際に商談が活発に行われているところです。スイスブランド中心のメインホールに比べいつも多くの人で賑わっています。
ヨーロッパの多くの時計会社はここに来て自分たちのブランド(ロゴ)を入れる気に入ったモデルを探し実際にオーダーを入れていきます。
Kentexもここでは一OEMメーカーとしてOEM(客先のブランドで製作)の仕事を受注します。
今年はメカ(機械式)ムーブ(以下メカと略)を中心としたモデルに人気が集まりました。
特に中国のメカを活用したモデルはレトログラード針、パワーリザーブつき、GMT,などの多機能がついて高級感がありながら価格も割安なため多くのOEMの顧客から引き合いがありました。
中国メカについては後で詳しく述べたいと思いますがとにかくヨーロッパの人たちからも今強い関心があります。
最近は香港のメーカーからこのメカモデルが多く出るようになりましたがKENTEXのデザインしたOEMモデルは品質、デザインの評価が高く特に人気がありました。
そのため三名のスタッフでは足らず私も対応に大忙しの結果になってしまったわけです。

その中でも出色だったのがトゥールビオンです。
トゥールビオンといえば複雑時計の頂点にありこれまでの常識では1000万円以上もする特別な存在でした。
それが最近中国のムーブメントメーカーで開発されたこのムーブを搭載すれば驚異的な価格でトゥールビオンが出来るわけです。
当初私は半信半疑でした。本物を目指しているKENTEXにとってこのムーブメントを使うことは火中の栗を拾うようなものです。
ブランドを傷つけることにならないだろうかと悩みました。
しかし複雑時計の頂点であるトゥールビオンを作れるチャンスが目の前にある。
決断するのにあまり時間はかかりませんでした。
決めた後の作業は普段より早いものでした。これまでの歴史あるトゥールビオンモデルを調べ、イメージを膨らませ、ケンテックス初のトゥールビオンを伝統的なクラシカルスタイルにしようと決め、そのあとはケース、ダイアルと一気にデザインを決めていきました。
ムーブメントはプラチナめっきされたワンミニッツトゥールビオンで地板には特注した斜めのコートドジュネーブ仕上げ。中央にkentexのマークを入れました。
ケースサイズは検討した結果39ミリとし、伝統的なクラシックデザインとしました。クリスタルはトップ、シースルー部ともサファイア使用、ベルトは本皮のクロコダイルと最高の部品にこだわっています。
特にケンテックスとしては初めてブルースティール針を採用したのが特筆です。
製作が極めて難しく高価な針です。本当の高級品にしか使われないものです。
クレドールやGS、名前は明かせませんがスイスの某高級ブランドなどにも供給している高級針メーカーからの購入です。
ダイアルは特別気を使いました。立体感のあるギョーシェ彫りと厚みのあるロゴプレートなど高級感を出すのに苦心しました。
こうして間に合ったトゥールビオン(プロトタイプ)はkentexモデルとしてバーゼルに出品しました。
一つはシンプルな2針タイプ、もう一つはパワーリザーブとデイト機構がついたタイプの二つです。
反響は予想以上にすごいもので、多くの人に関心を持ってもらい、いい評価をいただきました。
ヨーロッパの人たちにとってトゥールビオンは特別の感があるようです。
今すぐ一個買いたいという人がけっこういたのには驚きました。特にスイスの老紳士にはどうしても欲しいとせがまれましたが英語を理解せず、なかなかプロトタイプであることを分かってもらえず苦笑しました。それほど欲しかったのです。
またprivate brand(OEM)として10〜20個作りたいという話しもいくつか出てきました。
今後の商品化についてですが、ケンテックスとして出す以上は慎重にムーブメントの品質を見極めたうえで投入したいと考えています。
おそくとも年内には商品化されると思います。

これだけの美しいトゥールビオンが驚きの価格で買えるというニュースが伝わったのかフェア後半になっても多くの人がトゥールビオンを見にきました。
そのなかでも特記したいのがスイスの独立時計師の重鎮であり日本の時計雑誌にも良く登場するあのフィリップデュフォー氏が突然ケンテックスブースにトゥールビオンを見せて欲しいと現れたのです。助手のような若い女性と二人でした。
向こうは当然私のことは知りませんがこちらは雑誌でよく見ている顔です。が突然で名前が出てきませんでした。名刺を交換したところあのPhilippe
Dufour氏です。なんとスイス時計界の大物がいきなり入ってきたのでびっくりです。
早速ケンテックスのトゥールビオンモデルを見せコメントを求めました。
先ず、“美しい”といってくれました。さらにしげしげとじっくり見て、いいデザインだと言ってくれたのです。もちろん本人を目の前に文句は言えないのでおせじとは思いますがトゥールビオンをパーツから一人で作ってしまう大御所にそういわれるとうれしくなってしまいます。
ついでにこの時計はあなたの目で見て本当のトゥールビオンといえるのかどうか聞きたいと質問しました。答えはYESでした。彼によるとこの機構は●●●(筆者注※すみません。ここで名前は明かせませんがスイスの某高級ブランドです)と同じ機構でスイス内でもトゥールビオンと言えるのか議論になっているそうです。しかし彼自身はトゥールビオンであるという意見だと説明してくれました。
なんと本人から間違いなくトゥールビオンであるというお墨付きをもらったのです。
この言葉を聞いて私は心から感動しました。
これで本物のトゥールビオンと自信を持って言える。
私は本当にうれしくなりデュフォー氏にブースに来てくれた御礼を言い一緒に写真を撮ってくれるか聞いたところ快くOKしてくれたのです。この一枚の写真はいつまでも私の記憶に残ることは間違いありません。
私の時計作り人生で思い出に残る一瞬でした。
このフェアーでの最高の贈り物です。
しかし彼の眼に一抹の寂しさのようなものを見て取りました。それは最高に難しいといわれるトゥールビオンムーブメントがなんと中国から出てきたという驚きと若干の悔しさがにじみ出ていたように感じました。

今回のフェアーには日本からの取材が当社ブースに来てくれました。
取材順に紹介すると、ウォッチビート、ブランドバーゲンメンズ、腕時計王、そしてパワーウォッチです。
各社一様にこのトゥールビオンについては驚き、感動してくれました。
ついにアジア勢から本格的なトゥールビオン出現か、ということと、それをこれまで中国メカには手を出していないケンテックスが作った事が一つのエポックメーキングといえるかと思います。
大げさに言えばこれはある意味歴史的な出来事といってもいいのかもしれません。
この先どうなるのかは私にもよく読めませんがとにかく反響が大きかったことにはこちらもびっくりしました。
それと取材でもう一人伝えておく人物がいます。
時計業界にいる人なら良く知っている世界的な時計誌“Europe Star”のマネージングエディターであるMr.D.Malcolm.Lakinがやはりフェアー最終日にトゥールビオンを取材に来たことです。
ケンテックスの歴史とブランドのストーリーを簡単に説明した後トゥールビオンウォッチを見せました。
やはりモデルをみて驚きを隠せませんでしたが、どうしてヨーロッパの人たちはそんなにトゥールビオンに関心があるのかとたずねたらとっさに紙に書きました。
スイスのトゥールビオンは安くても150、000CHF(スイスフラン)〜450、000(US$120、000〜360、000)だ。それに対しKENTEXのものはこの値段だよと0が二つも少ない数字を書いたのです。
とにかく驚異的な低価格トゥールビオンが出てきたことが事件のようです。
記事として取り上げたいので写真を後でくれとの事でしたので快くOKしました。
とにかく忙しくあわただしい今回のフェアーでしたが、どうやらヨーロッパ特にスイスにとってこれは一大事件なのだという実感があとから湧いてきました。
ケンテックスにとっても大きな意義のあるフェアーとなりました。

時間に余裕がない中でHall 5にあるAHCIの今年の作品を見に行きました。
各時計師の小さなショーケースですがすごい時計が展示されているところです。
その中で眼にとまった二人の時計師を紹介します。二人ともすでに有名な存在です。
短い時間でしたが時計を手にとって見せてくれて話しを聞くことが出来ました。
トーマスプレッシャー氏 Thomas
Prescher
2003年バーゼルでダブルアクセスのフライングトゥールビオン(懐中時計)で話題をさらったあのトーマスプレッシャー。私も二年前見せてもらい覚えてます。2004年には世界初のスリートゥールビオンを出品。
天才肌の職人という感じです。並ぶと私より小柄です。
同じ職人肌を感じ、なんとなく気の合うところがありました。
流暢な英語で丁寧にいろいろ説明してくれました。
今年の新作はやはり鳳凰の羽が動くもの(リストウォッチ)です。値段を聞いたら55,000ユーロとのことです。
しかもこれからの新作アイデアまで何と披露してくれました。いま日本伝統工芸の漆の文字板を考えているそうです。
なんと赤穂浪士討ち入りの姿の精密な絵コンテまでわざわざ奥から持ってきて見せてくれました。これはスクープもの!? 本当は人に見せたい作家の気持ち、よく分かります。
侍は何人?と聞かれました。四七士のシリーズが出来るねと言ったらニヤっと笑ってくれました。
彼のホームページです。
www.prescher.ch
クリスチャン ヴァンデル クラ−ゥ氏 Christiaan
Van der Klaauw
もともとはクロックで名を馳せた時計師です。
今はウォッチに専念しているそうです。ETAムーブメントを使った比較的手頃な価格の時計を製作。
といっても安いもので2500 ユーロからで上は 30000ユーロぐらいでした。
ETA2824や7751ムーブメントを多く使っています
ブルーを多用した美しいダイアルに魅入られました。あなたはブルーが好きでしょうといったらYESとうれしそうに応えてくれました。
ブルーに魅力を感じるものどうしの同じ感性を感じました。
彼のホームページです。
www.klaauwwatches.nl
そろそろまとめと行きたいところですが、その前に中国ムーブメントのことについてぜひ触れておきたいと思います。

ここ数年の間に中国のムーブメントメーカーから多機能系の魅力あるムーブメントがたくさん出てきています。
その中には自動巻きクロノグラフ、レトログラード針表示、パワーリザーブインジケーター、デュアルタイム機能、オールスケルトン、ジャンピングアワー等々が次から次へと新しいムーブが開発されてきています。
スイスムーブであれば相当、高価格になるものばかりです。
それなりの技術が無ければこれだけのムーブを開発できるはずがありません。
もともと中国はメカ(機械式)ムーブには長い歴史があります。日本がクオーツに走った間も中国はずっとメカを作り続けていました。
中国内には大手ムーブメーカーが4社あると言われています。もともとは国営です。それらがこの数年間で多くの新機種を開発競争し切磋琢磨してきているように思います。
私自身はこのムーブにごく最近まで懐疑的な立場でいました。
中国人のものづくりなんてどうせ商業主義に走りいいものは出てこないだろうと考えていました。したがって当社も情報は取りながらもつい最近まで使うことをためらっていました。
しかし一年程前からおそるおそるOEMの仕事から少しずつ使ってみたところ意外なほど、その性能のよさに驚きました。
さらにいろいろなムーブに手を出して分かってきたことはメーカーごとの機種によってかなりばらつきがあるものの、機種を慎重に選べばかなりいいものがあるという事です。
各メーカーともメカムーブを作る十分な基礎技術は持っているのですが最近のやや背伸びした複雑時計の開発のスピードが速すぎること、またそれに伴った十分な信頼性試験や工程間の検査体制、製品出荷検査などが今のところ追いついていないというのが私の見方です。
しかしそれを踏まえた上で感じることは、今は背伸びをしていても近いうちにそれが本物になってくるという事です。
ムーブ生産技術においてすでにスイスのパーツメーカーや日本の大手時計メーカーが中国との提携、共同開発などが進んでいることも耳にします。
時計の外装部品についてはすでにスイスも日本の大手時計メーカーも、何年も前から中国内での生産を進めておりすでにかなりの高級品が作られている事実からすればムーブ製造の世界においても近々高級品が躍り出てくるのは時間の問題と言って過言ではないでしょう。
中国からついにトゥールビオンムーブが出て、スイス勢の肝をつぶしているというこの事実がすでにそれを実証しています。
これからがさらに本領発揮と私は見ています。

これまで中国製というと安物と言うイメージで捕らえられることが多いのですが少なくとも時計に関して言えばあたっていないと断言します。
私は時計製造に長年携わっている人間として時計製造の変遷を見てきていますがスイスから日本へ、そして香港へ。さらに中国へと技術者の移動とともに生産技術がシフトしてからすでに何年も経ています。
すでに中国内ではスイスの有名ブランドのケース、バンド、ダイアルなどほとんどと言っていいくらいたくさんのパーツは中国内で作られておりそのレベルもきわめて高いのです。
ブランド名を挙げると差しさわりがあるのでここでは控えますが一般の人が聞けば驚くようなスイスブランドでも部品は中国製というのが偽らざる実態です。
私たちが購入しているパーツメーカーが実際に作っているのですから疑いようがありません。こんなブランドまで! 私自身何度も驚いたことがあります。
実は世界の高級品のかなりのものが中国で作られているという事実からすれば、“中国製はすでにほんもの”の世界に入っているのです。
厄介なのは中国にはでたらめなものづくりやコピー商品をつくって売っている、たちの悪いやからもたくさんおり、日本でもマスコミが大げさに取り上げる為多くの人が間違ったイメージを持っていると思います。まじめに取り組んでいる人たちも大勢いるのです。
中国製は安物というフィルターをまず取り除かないと本物は見えてこないと思います。

ここまで書いたのでついでに言ってしまいます。
スイス製(Swiss Made)の定義はスイスムーブを使ってスイスでケーシング(組立、検査)したものを言います。(これはスイスの言い分で世の中では一般常識となってますが、スイスムーブを使えばすべてスイス製と表示すべきだという意見(USA,HKなど)もあり国際時計会議ではまだ真剣に議論の最中です。)
したがってSwiss Madeと表示されていても実は中国製の外装部品を使っているのがかなり多いのです。同じ外装部品を使ってもスイスで最終組立をすればスイス製となり中国で組めば中国製となります。
マーケティング上から言えば当然スイス製にしたほうが高く売れますのでほとんどの、特に大手の量産ブランドはそうしているのが実態です。
(ケンテックスにしてもスイスムーブを使ったものはスイス製にしてもいいのですがあえて自分の目で品質管理のできる自社工場での組立にこだわっています。…結果販売が苦しい面もありますが)
しかしこうした事実からするとスイスブランドってなに? と、少しは言いたくなります。
パーツは中国製のスイス製です。有名ブランドでもこれが実態です。
中身に対した違いがなくてもこの”swiss made”を入れることで差別化し、高級品のイメージを必死に守っているのがスイス製(スイス勢?)の実態といえなくもありません。
果たしていつまでもスイスブランド優勢の時代がつづくのか?
こうした疑問もふとよぎります。

さていよいよ本題になってきました。
今回のバーゼルフェアーでの業界の人たちの注目を改めて振り返ってみると、中国メカへの熱い視線を感じます。
価格と品質(性能)のコストパフォーマンスを冷静に判断すればこんなに面白い、魅力に富んだムーブに関心が集まるのは至極当然で、自然のような気がします。
スイスムーブメントとは一味違った魅力があります。
まだ品質に不安要素は残りますがKENTEXのデザインや品質作りこみの技術を駆使すれば本当にいいものができると思います。
中国メカの魅力をさらに引き出し、自動巻きクロノグラフやパワーリザーブなどモデルのバラエティを増やし魅力的な価格で提供することが出来るようになります。
例えばコンフィデンスシリーズに自動巻きクロノグラフで5万円から8万円以下でのモデルが登場です。この価格はバルジューではとても不可能です。
これはブランドイメージと言う意味で一つの賭けになるかもしれませんが、ケンテックスの理念である“いいものをリーズナブルに”という基本からは決して外れていないものと私は考えます。
中国香港に拠点を持つケンテックスにとってこれはむしろ与えられた課題のような気がするのですがどうでしょうか。
アジアンパワーの先駆者としてむしろやっていくべきではないでしょうか。
たとえ中国ムーブであってもいいものはいいはずです。
それをメーカー自身が否定してしまうことはユーザーの選択を否定してしまうことになると思うのですがいかがでしょうか。
トゥールビオンムーブの登場とそれに対するヨーロッパの人たちの反応をみて私は今回のフェアーを総括してこのことを強く感じました。
長くなりましたがこれで私のレポートを終わりにします。
私のコメントに対して皆さんの、特にこれまでケンテックスを気に入って下さっているファンの方のご感想ご意見を以下のメールあてお寄せいただけるとうれしいです。
たくさんのメールをお待ちしています。
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