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2007 VOL2  2007バーゼルワールドレポート

バーゼル正面エントランスバーゼルワールド入口

4月12日から19日まで8日間開催されたスイスバーゼルフェアー(バーゼルワールド)が幕を閉じました。
今年は天気もよく例年よりぽかぽかと暖かい日が続いたためか来場者数も昨年よりかなり増えているように感じます。
バーゼルではかつて見た記憶がないまるで夏姿がそこらで見られました。
持ちこんだコートは一日も着るチャンスがありませんでした。
このへんにも地球温暖化の影響がでているのでしょうか。

それではバーゼル報告です。

今年はロレックスなどメーカーのブースが一新しているところが多く見られます。
全体にゴージャスで相当お金をかけているブースですがより洗練されてきているように感じます。

bazel

正面入り口近くのメジャーブランドは今までと変わらない陣取りですが中のほうに入っていくとやはり昨年までなかったような勢いのある流行のブランドがいい位置に大きくブースを構えているといった変化が起きています。
それを見ると今世界で何が人気なのかが分かります。

kentexブースケンテックスも例年通りユニバース館(HALL6)に小さいながらもブースを構えOEMの新モデルとケンテックスの新作を発表しました。

初めにケンテックスの話題から報告です。
今年の新作の目玉は二つあります。

第三弾トゥールビヨン

ひとつはケンテックス第三弾となるトゥールビヨンです。
サン&ムーン、パワーリザーブ表示、カレンダー機構のある新ムーブを塔載したモデルです。
第一作同様ワンミニッツフライングトゥ-ルビヨンと呼ばれるものです。

顔は非常に評判が良く人気があった第一作に近いクラシック系デザインのモデルとなっています。

ケースはベゼルが二段のチュアニアがつき、ダイアルはシルバーでクラシックなギョーシェ模様がありアラビアのインデックス、針はブルーのクラシックタイプで視認性も良くダイアルによくマッチングしています。
ケースのサイドにはエッチングによる縞のパターンが刻まれています。

ブースでも注目が高くヨーロッパの多くの来場者からたくさんの問い合わせがありました。

トゥールビヨン

ETA2824塔載プレステージモデル

二つ目の目玉は以前から私のブログでも書きましたが昨年より試作を繰り返していたプレステージモデルです。
2007年はケンテックスブランドがスタートして10年となりますが、現在のケンテックスの技術力を総結集して作る10周年記念モデル(限定)となります。
細かい形にこだわりましたがほぼ完成形となって発表しました。
機械式ファンにとっては久々となりますがETA2824塔載の自動巻きモデルとなります。
材質は最近入手が困難になってきている非アレルギーのオールチタン(ケース、バンド)をベースに人気のトリチウムガスチューブを埋め込んだダイアルと針を採用。
プレステージモデルすでにご存知の方が多いと思いますがほぼ15年間以上発光を続けるためまったくの暗闇という状況の中でその威力が発揮され時刻を知ることができるものです。

さらに軟鉄インナーケースでムーブを保護する構造の超強化耐磁構造を採用、64000A/m(800ガウス)レベルの磁場からムーブを守ることができる性能となっています。
最近の携帯やパソコンなど磁場の発生する生活環境が多くなっている中で時計が磁化し精度に狂いを及ぼすことが多くなっています。
2824のような高性能のムーブにはこういった機能が今後必要になると思います。
プレステージモデルは過酷な使用条件にも十分耐えられる安全率を高く見た設計をコンセプトにしています。

またケース内部には特別に緩衝用のガスケットを内蔵した強化耐衝撃構造となっています。
そのため耐衝撃性においても性能が強化されています。

プレステージ見た目は普通の時計かもしれませんが中身はスーパーマンに匹敵するような実はすごい時計です。
これまでのケンテックスの時計製作のエッセンスがこの時計に詰め込まれているといって過言ではないでしょう。

デザイン的には相当時間をかけ苦心しましたが結果から見ればどちらかというと時計好きなマニア向けのおとなしいデザインになっていると思います。
2824自動巻き塔載モデルは奇をてらわず正統派のデザインを狙いました。
目立たなくとも中身はすごい、分かる人のみが分かる時計といったところでしょうか。

また並行して進めているクオーツモデルのほうはステンレスとなりますがトリチウム採用などその他の仕様性能はほぼ自動巻きと同じレベルになります。
こちらのほうはデザイン的に多少流行を取り入れた遊び心の入ったものにしたいと考えています。

自動巻きは5月発売の一部時計誌にも紹介されることになります。
時計の発売は10月を予定しています。

バーゼルに見る最新ウォッチ動向

ウォッチ動向さてHALL1の世界の有名ブランドのほうの今年の私の感想です。

一言でいうとローズ(ピンク)ゴールドと黒のコンビが目立って増えています。
私の目にもローズゴールドが新鮮に映りました。
さらにベルトにラバーを採用するモデルがかなり増えています。
黒をメインに赤やオレンジなどの色物もあります。
なんとブレゲにまでラバーモデルが出てきています。

これは新しい流れになる予感がします。
2年前のHUBLOのBIGBANGが今から考えるとその始まりだったような気がします。(ウブロはずっと以前からラバーベルトがありますが)
その流れが今膨らんできているように思います。

別途、私のブログの中で詳しく述べていく予定ですのでそちらのほうでご覧になってください。→「はしけんブログ」

ケンテックスのプレステージモデルにもこのラバーバージョンを加えることをフェアーの後に決めました。
きっと魅力あるモデル展開になっていくと思いますので乞うご期待です。

フェアーは16日までブースに詰め、その後は20日までスイスのベルン、モントルー、ローザンヌ、ジュネーブと回ってきました。
スイスは本当にきれいな街ですね。ベルンは世界遺産にも指定された中世の街が絵になります。
重いカメラをぶら下げて一日15000歩平均で撮り歩きをしてきましたがさすがに肩が懲りました。
撮った写真は1000枚を超えました。
いまだに肩が痛いですがいい写真も少しは撮れたようなのでそちらのほうは私のブログのページで公開したいと思います。

ジュネーブ、パテック時計博物館にて

パテック時計博物館最後に、今回、ジュネーブにあるパテック時計博物館に行ってきました。
ジュネーブはスイス時計産業発祥の地です。
噂に聞いていましたが16世紀以降のすばらしい時計(もちろん一点モノの手作りばかり)を直に見て感動しました。
値のつけようもない美しい時計の数々、16世紀の昔からこんな時計製作技能があったのかと驚くというよりむしろ今よりも優れた個人の精密工芸の極致を見ることができます。
エナメル(琺瑯)、からくり時計などまさに驚くほどの精巧さです。
そこにはしっかりとした奥の深い技術があります。
一人の人間が何年も歳月をかけて最高にすばらしいものづくりをしてきた結果が何年もの時を経てそこにあります。

富の集中により豊かになった王侯貴族の物欲のおかげでこういった最高レベルの職人と作品が生まれたといえます。

作品を高く買う人たちがいて優れた芸術は育ちます。
いつの時代も世の中が平和で豊かな時代に高い文化が生まれるのでしょう。
こういった金に糸目をつけないものづくりが昔ジュネーブのキャビノチェといわれるビルの屋根裏で時計職人がこつこつと作られていたのですね。

パテック時計博物館

人間は現代になるほど生命体が進化しているような錯覚にとらわれますがこれらの時計を見ると実はそんなことはないというのが良く分かります。
むしろ文明の進化によって便利になった分、人間の感性の鈍化が進んでいるのではないかという気がします。

これらの時計やからくりの動きを収めたDVD(15スイスフラン)を売っていたので買ってきました。
これは私の宝物になりそうです。

2007年4月 橋本 記

橋本

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